コラム
2023年09月22日

公立と私立の違いは?

公立小学校のメリット

  • 友達がつくりやすい
  • 子どもが鍛えられる
  • 勉強の成績だけではない集団教育

友達がつくりやすい

公立は自宅の近くに学校があり、友達もつくりやすいというメリットがあります。

子どもが鍛えられる

公立小学校は子供が鍛えられるという意見もあります。現代社会の雛形というか、縮図のように様々な人間がいる。

べったりと子に寄り添って甘やかせる母親もいれば、ほったらかしの母親もいる。父親がほとんど家にいない家庭もあれば、毎日喧嘩ばかりの家庭もあったりと、その中で揉まれていろいろな人間とふれあい、経験を重ねることが人間形成の一助になるという考えです。

勉強の成績だけではない集団教育

勉強の成績ばかりが集団教育ではないから、授業の習得度合いで人間の優劣をつけるような雰囲気にはおきたくないという意見もあります。

事実、私立は入試を通過して入学するわけですから、入学者あるいは親たちはどこかで選民の意識があるともいえるでしょう。

その中で「となりの子がライバル」といった考えを早くから植えつけるのはどうかというのも頷けます。

中学のことを意識した場合の小学校

せっかく現在の校区での公立小学校を意識したのですから、少し先も考えておきましょう。

つまり、中学はどこへ通うようになるのかということです。

公立の場合、ほとんどが同じ公立中学へ進学するわけですから、近隣の小学校を合わせると、現在の中学校の校区という範囲はもう少し広がります。

少し中学のことも頭に入れておいてからもう一度小学校を見つめた場合、もしかするとはじめとは少し異なる考え方が現れてくるかもしれません。

もし中学の評判が芳しくない場合、公立小から校区の中学を回避するというのはかなり大変になります。

中学受験をする場合

小六の冬に私立あるいは国立中学を受験することになるわけですが、小五六のときに、周囲の友達は受験なんか考えてもいないといった環境の中で、自分だけは違うという意識を持たせ、誘惑も断り、夜遅くまで受験勉強をさせるというところまで持っていくのは、本人の自覚ややる気、そして親の意志の強さしかありません。

通っている学校では簡単な授業内容をこなし、家や塾では難問に取り組むという日々の努力は、本人にとって大きな荷重です。
そういうことから中学受験は大変そうだし、塾に通わせるのにもお金が掛かる。それならと中学受験を前面に押し出した私立小学校を選択したという家庭も多いのです。そういう学校では、低学年の頃から試験に対しての意識付けをし、中学校受験への万全な対策を学校で行っています。当然夜遅くまでの塾は必要なくなります。学校にお任せで、結局六年間かけて昼間塾へ通わせたのと同じことになるのです。

公立小学校と私立小学校の比較

ここで公立小と私立小の内容を少し比較してみましょう。

スタート時の差

子供が一年生に入学した直後からその違いは始まります。

性格も能力もバラバラな集団が新しい雰囲気の中でひとつにまとまらなければならないのですから、公立ではどうしても時間がかかってしまいます。ところが受験をくぐってきた子達は「先生の言うことはよく聞く」「きちんと静かに待っている」などは身につけています。
公立が抱える心配はあまり気にせず、速やかにカリキュラムのスタートが切れるのです。
このスタート時の差は、高学年になると習得能力や教科発展などにおいて、非常に大きなものとなります。
私立か公立かという選択は、教育環境に恵まれた中でどんどん伸ばしていくか、あるいはあまり枠を設けず伸び伸びと育っていくのかという選択に広がってきます。
本当にどちらが良いとはいえないのですが、受験現場にいると、公立小に対しての不安や不満は、残念ながらかなり耳に入ってきます。第一子を公立に通わせたのだが、第二子はどうしても私国立というケースも多くあります。

教育環境

公立と比べると、私立の先生は教育熱心の人が多いとか、同時に親も教育についてはきちんと考えているという話はよく聞きます。どこまでを教育熱心と考えるかは人それぞれ異なるとは思いますが、残念ながらそれは現実といえるでしょう。
第一に私立は教育環境に恵まれています。毎年高いお金を徴収するわけですから、学校側はより良い環境にするため、様々な努力をします。設備の充実、道徳教育や社会教育、集団活動など、独自のカリキュラムでいろいろなテーマに取り組んでいます。
種々雑多な子がひとつの教室の中で学校生活をする公立と比べ、学校側が選別をして入学を許可し、環境を整えるのですから「学級崩壊」という事態はまず起こらないでしょう。
ゆとり教育という建前がある以上、公立は平均的な子に合わせてクラスを運営していかなければなりません。興味があることを個人的に伸ばしてあげるとか、得意なところはどんどん力をつけさせるなどということは公立の場合、できません。
つまり、学校側の方針に合わせていかなければならない公立小。学校が許せば、ある程度子供に合わせることができる私立小。ということもいえます。
そして公立のクラス運営というのも厄介なもので、校長先生がかわると学校の雰囲気が変わる場合もあるのです。自分の子にとって何の問題もないと判断して入学した学校でも、数年後あるいは入学直後に激変したという話も時折耳に入ってきます。
その点、私立小は建学以来の校風というものがありますし、理事など一応校長よりエライ人が目を光らせていて、学校の規模やシステムにもよるのですが、ある程度の基準は保たれるようにはなっています。
しかしそれで私立小に過大な期待をしてはいけません。そのときの同級生や担任の性格などによっても、状況は変わってくるのです。
学校の内と外で使い分けをする子も、私立のほうが多いように思えます。